『宮部みゆき』(みやべみゆき)

元はOL

宮部みゆきは日本SF作家クラブの会員で、日本推理作家協会の会員でもあります。
雑誌、幻影城ファンクラブ「怪の会」出身です。
OLから法律事務所、東京ガス集金課勤務でもあった彼女ですが、長い道のりを経て小説家になります。

「我らが隣人の犯罪」でデビューしたのち、様々な作品を刊行しています。
「龍は眠る」は日本推理作家協会賞を受賞している作品で、他にも「火車」「理由」「模倣犯などのミステリー小説があります。
「ぼんくら」などの時代小説も人気で、ヒット作を続々と手掛ける作家となりました。

ミステリー小説、時代小説以外にも、ファンタジー系もあります。
ジュブナイルなものの作品もあり、幅広いテーマを手掛ける日本の小説家です。

宮部みゆきさんの本は、誰でも一度は読んだことがあるでしょう。
とにかく多作で、テーマもバラバラ。
どれも面白いので一気にはまったという方も多いのではないでしょうか。

やはり一番のヒット作となったのは、「あかんべぇ」ではないでしょうか。
江戸・深川の料理屋でのお話。
人はみんな心に暗いものを持っていて、そのために落ちてしまう人や美しく生きようとする人がいる。
そんな喜びや憎しみが織りなす感動の物語です。

作者の生い立ち

宮部みゆきは、1960年12月23日生まれ、東京都江東区に生まれています。
一般的なサラリーマン家庭に生まれ、職人的な仕事をする両親と共に下町で育っています。
現在でもそこを仕事場としているようですが、小学校2年生の時に父からプレゼントされた「杜子春」を小学2年生ながらも1日で読むという、まさに小説家が天性なのではないかと思わせるような幼少時代を送っています。

移動図書館で本を読み漁り、父からは落語や公団の怪物伝を聞かされて育ったそうです。
中学1年生には「国盗り物語」にはまり、複雑な人間関係や時代の背景、戦国時代などの知識を学習しています。

子供時代から、ずっと語り掛けで聴くという、文学家庭で育ち、高校生では怪奇小説にはまっています。
高校を卒業後、3年間OLとして働いていますが、その後法律事務所に5年間勤務して、ワープロ購入をきっかけに小説を書き始めます。

ワープロを購入した宮部みゆきは、当時は勤務後に自宅でワープロの練習を始めたものの、突然何かを打ち始めてそれが止まらない、その打っていた文章が小説だったということに自分で気づいたそうです。
そのことを宮部みゆきは「ワープロ様抜きでは、私は生まれなかった」と語っています。

小説教室に通ったり、小説家講師から学ぶなど小説の道にのめり込んでいった作者ですが、自分がプロになるなど思っていなかったそうです。
プロになったきっかけは、小説教室の仲間に進められて賞に応募し、そこから作家の道を歩んでいます。