『有川浩』(ありかわひろ)

図書館戦争シリーズ

有川浩の作風は、デビュー作品からしばらく、SFミリタリー色の濃い作品ばかりでした。
3作続けて、自衛隊や未知の生命体などの接触をテーマにしていますし、「自衛隊三部作」と称されることも。

2006年にスタートした図書館戦争シリーズは有名ですよね。
ベタ甘と言われる恋愛ストーリーも作品に絡められていて、ヒロインと年齢的にも社会的にも格差がある男性との恋愛がたびたび書かれています。

おすすめの作品は、「レインツリーの国」や「阪急電車」など実世界を舞台にした作品。
SFミリタリー風だった有川浩の斬新な作品です。

恋愛小説家として広く認知されていますが、ミステリー&エンタテインメントランキングでは図書館革命という作品が9位にランクインしています。
また、図書館戦争は、2006年上半期の「本の雑誌」社が選ぶ、エンターテインメント作品の第一位に選ばれています。
2007年には、書店員からのノミネートによる、本屋大賞5位を獲得しています。
図書に関する法令を巡って起きる闘争という一見ユニークな設定ですが、非常に読み応えのある中身の詰まった作品となっており、アニメ化・映画化もしています。

「図書館戦争」シリーズは、第39回星雲賞日本長編作品部門を受賞しています。
その他ドラマ化もされた「キケン」や、空飛ぶ広報室なども人気作です。

作者の生い立ち

有川浩は1972年6月9日生まれ。
小説家で、ライトノベルを専門として手掛ける作家です。
高知県出身で、園田学園女子大学を卒業しています。

2003年に「塩の街wish on my precious」で第10回電撃ゲーム小説大賞を受賞しています。
また、2004年にはこの作品でデビューを果たし、ライトノベルでデビューしながらも2作品目以降はハードカバー出版が続いています。

電撃文庫出身作家の中でも特例な存在で、「塩の街」も後々ハードカバーで最出版されています。
2006年には四作品目「図書館戦争」を出版。
映画化もされ大ブレイクを遂げました。

現在でも自らを、ライトノベル作家と称していますが、アニメ風キャラクターイラストも表紙には採用せず、大人向けのライトノベル作家としての立ち位置を確立しています。
名前はペンネームですが、有川は書店に本が並んだ時に、「あ」から始まる名前なら最初に来るから、だそうです。
男性だと勘違いされることも多いそうですが、有川浩の「浩」は本名に含まれる1字なのだとか。
少しだけ以外ですね。