『伊坂幸太郎』(いさかこうたろう)

印象的なセリフ

伊坂幸太郎の作品には、名言が数多くあります。
面白い物、ぐっとくるもの、など多様な名言がありますが、名言から伊坂幸太郎の作品にはまったという方が多いことにも驚きます。

たとえば、「重力ピエロ」
「本当に深刻なことは、陽気に伝えるべきなんだ」
心に突き刺さる言葉として、多くのファンの心に残る作品となりました。

「アヒルと鴨のコインロッカー」にはこのようなセリフがあります。
「神様を閉じ込めるんだ」

これは、最初のほうに出てきたセリフなのですが、すべて伏線となっています。
散りばめられた伏線がどんどん回収されていき、読み進むにつれてもう続きを読みたくない、でも読みたいという衝動に駆られる作品です。

伊坂幸太郎の作品はこのような作品が多いことが特徴。
シリアスな展開もあれば、話が終わるころには爽やかな気持ちになれるものなど。
そんな気分にさせてくれる作品ばかりです。

「チルドレン」という作品は短編小説のように見せた長編作品で、隙間時間でも楽しめます。
キャラクターが魅力的ですが、チルドレンの主人公はずば抜けて面白い。
セリフも、ストーリーも構成も、どこか抜けていて鋭く、なぜか心地よい、そんな気分にしてくれます。

作者の生い立ち

伊坂幸太郎は、1971年5月25日生まれ、千葉県松戸出身で、千葉県立小金高等学校を卒業後東北大学法学部に入学しています。
実は、当時東北大学には現在小説家として有名になった人物が数多く在学しており、伊坂幸太郎もその一人です。

大学を卒業後はシステムエンジニアとして働くかたわら、文学賞に応募をして2000年「オーデュボンの祈り」で新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しています。
その後作家専業となり、宮城県仙台に住居を移しています。

2002年のラッシュライフでは評論家に注目され始めて、2003年、「重力ピエロ」で直木賞候補にあがり一般読者にも広く認知されました。
「アヒルと鴨のコインロッカー」も、映画を見たことがある方は多いのではないでしょうか。

重力ピエロも映画化され、数多くのヒット作品を出す人気作家となりました。
陽気かつ斬新なテーマが多く、反面最後まで読まなければ展開が予想できないストーリーの濃さ。

事件やミステリー、推理など作風が少し、村上春樹に似ているという指摘もあります。
作者曰く、直接的な影響は受けていないと述べています。