『三浦しをん』(みうらしおん)

人との関わり方など

三浦しをんといえば、家族や現実の世界観を持った小説を書くことで有名な小説家です。
特徴的な関係性をかく作品もありますが、1つの事柄に対して取り組む人を書く作風が人気です。

全体的にはほんわかとした内容の本が多く、主人公は男性が多いです。
似ている作家がいないことでも有名で、かなり個性的。

現代的な作品で、恋愛や青春などのテーマも多いように感じます。
男同士の友情を物語っている作品では、作者本人も「BLが好きだ」と語っていることからそういった作風になったことが伺えます。

三浦しをんの代表作品

最新作ですが、ベストセラーとなった「舟を編む」は、映画化もされているかなり人気の作品です。
映画では豪華キャストが出演し、主人公は宮崎あおいが出演しています。

これは、一冊の国語辞典ができるまでを描いた作品です。
題材は地味ですが、中身を見るとかなりの傑作だということが伺えます。
主人公が辞書作りにかける覚悟や有機など、最後には感動とワクワクするような展開となっています。

「舟を編む」は2012年の本屋大賞を受賞しています。
三浦しをんの代表作は、こういった「題材こそ小さいけれど世界観は大きい」というスケールの作品が多いように感じます。

次に、「まほろ駅前」シリーズをおすすめします。
まほろ市の駅前に位置する便利屋の話が描かれていますが、テレビドラマ化、映画化もされています。

作者の三浦しをんが住んでいる、町田市がモデルとなっているそうです。
シリーズとしては、最初の短編形式と、最新作である長編小説の3編があります。

エッセイでの代表作といえば「悶絶スパイラル」が有名です。
電車の中では読んではいけないと言われるほどの、爆笑エッセイ。
日常を面白おかしく表現しており、キャラの濃い登場人物にとにかく笑えます。

作者の生い立ち

三浦しをんは、東京出身で父は文学研究者。
横浜雙葉中学校から高等学校を卒業し、1995年に早稲田大学第一文学部に入学しています。

1996年には、文学科演劇専修に進み文学演劇を学びます。
彼女は編集者として出版社で働きたいと考えていました。
そこで、大学4年生になると出版各社に対して就職活動を行っていましたがその時に小説家としての才能があると気づきます。

就職活動中に、早川書房の入社試験で彼女の作文を読んだ面接者の編集者が、三浦に執筆の才があることを見出します。
その時までは、三浦しをんという小説家は生まれてはいませんでしたし、彼女自身小説家を目指してはいませんでした。

勧めを受けて、同年から、Boiled Eggs Onlineのサイトで、ウィークリー読書エッセイである「しをんのしおり」の連載を始めたそうです。
その後、出版社の面接を約20社受けていましたが全滅し、大学を卒業。
外資系出版社の事務のアルバイトをするものの英語で頻繁にかかってくる電話対応ができずに、わずか3か月で辞めてしまいます。

その後は高原書店にアルバイトとして勤務します。
当時、出版社の編集者で三浦さんを推していた村上という編集者からの指示を受け、「格闘する者に○」を出版しました。

2002年には4作目「秘密の花園」を。
2005年には「私が語りはじめた彼は」を出版。
同じ年に出版した「むかしのはなし」で直木賞候補となりました。

ここからどんどんと小説家としての道が切り開かれ、有名になっていきます。
自分では想像もしてなかったと作者は語っていますが、小説家が向いているということに気付けていないだけで、道は示されていたのでしょう。